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日本図書センター
グループ:Book
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発売日:1997-12
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カスタマーレビュー 
古き良き時代
(2004-12-29)
本書は幕末・明治に9代目團十郎とともに人々を熱狂させた5代目菊五郎がその最晩年に、自らを語った自伝である。私がかつて読んだ自伝の中では、その破天荒さにおいては、ほぼ彼と近い時期に生きた、勝海舟の父の勝小吉の自伝「夢酔独言」と並ぶ面白さである。
彼の痛快無比な経験が、まるで芝居を見るかのような生き生きとした江戸弁の描写で語られている。中でも、鉄砲玉の飛び交う上野の彰義隊の戦場に遭遇してしまった時の彼の機知に富んだ行動は、緊迫した状況であるのに何だかおかしく、そして「さすが役者!」とも思えて笑ってしまう。
また、歌舞伎愛好家にとっても彼の緻密で計算された舞台がその日常の生活の中でどのようにして生まれたのかが分かり、芸談としても楽しめる。粋でいなせな彼の写真もふんだんに掲載されているので、錦絵でしか見られないその舞台姿も想像できるだろう。
科学技術等がが進歩して近代化した今日、現代人がもはや経験しないことにより失ってしまった大切な何かを彼とその人生は教えてくれる気がする。


